イノチ
もうあと少しで年明けだ
とても寒くて
手足がなかなか暖まらない
ふと思い出してしまった
初めてペットを買った日のこと
小学生の頃だった。初めて飼ったペット、ハムスターだった
欲しくて欲しくてお父さんにお願いした。
テストも頑張って飼うことになった。
ジャンガリアンハムスターの女の子、小さくて円らな瞳が可愛かった
私は怖がりでうまくコミュニケーションが取れなかったかもしれない、でも大好きだった。
行動の全てが愛らしくて愛おしかった。
寿命が短いのは、知っていた。
唐突に訪れた死。
いや、前兆はあった、だんだん老いていっていた。
死ぬ日の前日、私は異変に気付いていた。
下痢をしていたようだった。
きっと寒かったから
正月過ぎだったから帰省していたからその日はおばあちゃんちにいた。
もっと暖かくしてあげたらよかった
もっと何かできた。
もっと、もっと。
後悔と悲しみが私の中でいっぱいになった
そのは初めて死んでしまったイノチを触った。
つめたくて、かたくて、丸くなって寝ているようだった。
おばあちゃんの家で予定通りまで過ごして家に帰った。
帰ってる間もそのイノチを見つめていた。
もう一度あの小さくて温かくて愛らしいあのイノチに会いたい